====== プロジェクトについて ====== ===== 目的 ===== 古来人類は夜空の美しさに魅せられてそこを舞台に多くの物語を創作し,星々の動きを指針 にして日常生活の営みを決めてきた。 また,これらの星の継続的な観測が,最初の自然科学ともいうべき天文学の誕生を促した。 もしも,毎日が曇り空だったら,人類は夜空の神秘的な美しさに魅了されることもなく,その限りない秩序の存在に気づくこともなかったのではなかろうか。 「もしも,毎日が曇り空だったら」は,あくまでも仮想的な話であるがこのたとえ話から,夜空の神秘的な魅力が人類に及ぼした影響の大きさを推し測ることができる。 そしてこの魅力に触れることがなかった場合に,文学・科学など様々な分野においてあまりにも多くのものが欠けていたであろうことに気づかされる。 現代は大都会は言うに及ばずそれ以外の多くの地域でも,天体観測に関する環境は残念ながらこの仮想的な話に近い状況にあると思われる。 このような状況の中にあって,多くの人々が再び夜空の神秘的な魅力を再発見できるような環境を整えることは極めて意義のあることであり,それが結果として自然科学への新たな興味を呼び起こすことになるものと期待される。 インターネット望遠鏡を用いた天体観測を目指す我々の研究は,そのための最初の一歩を用意することを目的とするものである。 天文学は最も歴史の古い自然科学であり,ニュートン力学の誕生とその後の物理学の発展に 大きな影響を及ぼしてきたことは言うまでもない。 天文学が物理学の生みの母であっただけでなく,実際に自らが測定した観測データーを用いて天体運動の法則を検証してみることは,科学的な思考方法を育む上で現在においても重要な役割を果たすものと期待される。 しかしながら天体観測の特殊性,すなわち観測対象となる天体の大部分が夜間にのみ観測可能となること,また雨天の場合には観測不可能になるなど気象条件に大きく左右されることのために,天文学の教育現場において自然科学としての重要な要素である観測実習は,ほとんどそのカリキュラムに取り入れられていないのが現状である。 生物学・化学・物理学などの他の自然科学分野においては,実験実習がカリキュラムの重要な要素をなしていることと比べると,天文学教育のありかたは自然科学教育として重要な要素を欠いているといえる。 インターネット望遠鏡ネットワークの構築は,天文学の講義・授業に観測実習を取り入れる上で天体観測のもつこの障害を乗り越えるための環境を整えることを目指している。 インターネット望遠鏡を利用した天体の観測実習が教育現場に実際に根付くためには,その ための優れたマニュアルが求められている。 この研究では単に天体の素晴らしい写真を撮るということに留まることなく,天体に関するデーターを実際に観測実習で求めて,それを用いて様々な科学的な考察を行うことが出来るための教育カリキュラムの作成とその充実化を目指す。 ===== メンバー ===== * 上田 晴彦(秋田大学) * 内村 迅渡(鹿児島大学) * 大野 義夫(慶應義塾大学) * 小澤 祐二(五藤光学研究所) * 表 實(慶應義塾大学) * 笠原 誠(五藤テレスコープ) * 櫛田 淳子(東海大学) * 五藤 信隆(五藤光学研究所) * 小林 宏充(慶應義塾大学) * 近藤 弘之(五藤テレスコープ) * 迫田 誠治(防衛大学校) * 鈴木 雅晴(五藤テレスコープ) * 瀬々 将吏(秋田県立横手清陵学院高等学校) * 高田 淑子(宮城教育大学) * 高橋 真聡(愛知教育大学) * 高橋 由昭(五藤光学研究所) * 土橋 一仁(東京学芸大学) * 成田 堅悦(秋田大学) * 中西 裕之(鹿児島大学) * 戸田 晃一(富山県立大学) * 早見 均(慶應義塾大学) * 松本 榮次(佛教大学) * 山腰 哲(五藤光学研究所) * 山本 裕樹(東北公益文科大学) * 吉田 宏(福島県立医科大学)